昔、独奏コンクールによく出場していましたが、
毎回2位ばかりで、どうしても1位がとれずにいました。
チャンスは何度もあったし、周りのバックアップも万全でした。
しかし、毎回、どこかで大きな減点ポイントを作ってしまう。
一体どうしてなのか。
その一番の原因を、この記事で書きます。
なぜ繰り返し練習をするのか。
目の前に課題曲があるとします。
練習の過程で、ある部分のフレーズを
繰り返し練習することがあるかと思います。
みなさんは、なぜ繰り返し同じ箇所の練習をするのでしょうか?
①指に動きを完全に覚え込ませるため
②暗譜するため
③このフレーズがかっこいいから(単純に弾いていたい)
④苦手なフレーズを繰り返し練習して自信をつけるため
およそこの4つの理由のどれかではないでしょうか。
ここで注目すべきは④の「繰り返し練習して自信をつけるため」です。
間違えずに弾くために、繰り返し練習する。
これはとっても大事な事です。
繰り返し練習することで、その効果を実感する人も多いでしょう。
しかし一方で、繰り返し練習しているにも関わらず、
ミスの確率が減らない人もいるのではないでしょうか。
僕は、過去にその状態に陥ったことが何度もあります。
血のにじむような練習の努力が本番で報われないとしたら、
これは悲しいことです。
では一体なぜこんな事が起こるのでしょうか。
反復練習はするな?!
反復練習で得たいものはなんでしょうか。
繰り返しミスをすることでしょうか?
いや、違います。
繰り返し成功することです。
成功の確率を上げたいのです。
心理術という意味では、成功体験の積み重ねが大事です。
成功体験というのは、本番演奏の成功に限定したものではないです。
練習における成功も、自信につながります。
逆に練習におけるミスの連続は、自信を失う事になりかねません。
成功体験が多ければ多いほど、また成功の比率が高ければ高いほど、
自信につながります。
逆に失敗体験の比率が多ければ多いほど、自信の喪失につながります。
苦手なフレーズがあるから、その部分を練習する。
でも何回やってもその都度間違える。うまく弾けない。
こんな状態に陥ったら、一刻も早く練習をやめるべきです。
しかし、やめるといっても、
その部分を全く練習をしないというのでは、
単に目の前のことから逃げているだけですので、
ここで練習の方法を変えてみましょう。
練習の仕方を見直そう
弾けないのであれば、まずテンポを見直しましょう。
成功する確率が60%以上のテンポまで落として練習しましょう。
そして、その確率が80%程度まで達したら、ほんの少しテンポをあげます。
焦らず、成功率を高くキープしながらテンポをあげていくのです。
テンポ以外の問題もあるかもしれません。
とにかく、練習でミスが連続する場合は一旦クールになって、
一歩引いた目でその原因を眺めてみましょう。
急がば回れ、です。
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