ファン化のシナリオを極限まで理解する ~ファン獲得戦略(4/7)~

お客さんは、ある日いきなりあなたのファンになってくれるわけではありません。
ファンになるにはプロセス、シナリオがあるのです。
そのシナリオを可能なかぎりリアルにイメージしましょう。
そして、スムーズにファンになっていただくための仕掛けを作っていくのです。

まずはリアルに想像すること

可能な限り、詳細に、リアルにファン未満の方の意識・態度・行動を想像しましょう。
試しに、今から、ある方があなたのファンになるシナリオを書いてみます。
Aさんとしましょう。少し長くなりますがお付き合いください。

Aさんは、ある日の夜、たまたま友人から流れてきたあなたのイベント告知投稿を目にしました。
でもその時には何とも思わず、記憶に残らず、そのまま眠りにつきました。

その一週間後、Aさんのもとに、再びあなたの情報が流れてきました。
それは、イベント当日の様子を動画に収めた動画でした。
動画はあなたではなく、ファンの一人がスマホで撮影したものです。

Aさんは、その動画を見て、興味を惹かれました。
そして、その動画についていたハッシュタグをたどって、他の動画を3つ視ました。
どれもファンがイベントの様子を撮影したもので、現場の興奮が伝わってくるものでした。

Aさんはその動画で演奏されていた曲が気になってきました。
曲名は何だろう。どんなイベントだったんだろう。
いろいろと気になって、検索欄にあなたの名前を入力しました。
すると、あなたのアカウントが出てきました。

そこでAさんは気づいたのです。
イベントの1週間前に、すでに友人から流れてきた告知投稿を見ていたことに。
そう。あなたのアカウントを見に行ったときに、見覚えのある内容、画像があったからです。
Aさんはあなたに親近感を持ちました。
同時に、イベント前に気づかなかったことを少し後悔しました。

Aさんは、あなたのアカウントを見て、さらに興味を持ったのですぐにフォローしました。
そして、友人に連絡を取りました。
友人は、Aさんもあなたに興味を持ったことを知り、喜んでいます。

友人はAさんに「私も一回イベントに行きたかったんだ!2週間後にまたイベントがあるから一緒にいこうよ!」と誘ってきました。Aさんの返事はもちろんYESです。
友人は続けて「イベント前までにこれを予習しとくと良いよ」とあなたのYouTube公式チャンネルの再生リスト『初見の方に好評の7曲』を教えました。

その次の日から、Aさんは、通勤時にあなたの曲を聴くようになりました。
そして、イベントの前日になると、いくつかの曲が口ずさめるようになっていました。
本番前日、あなたから、イベントの詳細や会場アクセスの連絡がきました。
特に、会場への行き方は、駅からの道順が画像で説明されていて「とても親切だなぁ」と思いました。
Aさんは方向音痴なので、丁寧なアクセス案内に感動しました。
「やっぱり良い人だから、こんな良い曲が作れるんだなぁ」と思いました。

そしてAさんは、イベント当日、これまでにない興奮と感動を経験するのです…

ファンになるプロセスの例を書いてみました。
リアルにイメージできましたか?

ファン化をスムーズにするための仕掛けを作る

上に書いたファン化シナリオにおいて、マーケティングの重要な仕掛けが含まれているのにお気づきでしょうか?

・事前にきっちりイベント告知をしていた
・ファンがイベント動画を投稿したくなるキャンペーンを仕込んでいた
・投稿してもらうときにハッシュタグを仕込んでいた
・あなたの名前で検索したときにきちんとたどり着けるようSEOを心がけていた
・あなたのタイムラインのファーストビューに次回イベント告知が表示されていた
・再生リスト『初見の方に好評の7曲』を用意していた
・会場を下見するときに道順の写真をとっておき、イベントファンに共有した

これらの仕掛けがあったからこそ、Aさんはあなたのファンになったのです。
もちろん、あなたの作品の力によるところも大きいですが、キッカケの連鎖を途切れず完成させたのは紛れもなく「仕掛け」の力です。

ですので、まずは「理想のシナリオ」を、可能な限り鮮明に描いてみましょう。
必ず、お客さん視点で描くようにしてください。
シナリオを書いていてスムーズにいかないところがあれば、放っておかないようにしてください。
そこには仕掛けが必要なのです。
どんな仕掛けを用意すればスムーズに流れるのか、よく考えてみましょう。

彼女(彼)がどんな生活を送っている方なのかもリアルに想像しておいてくださいね。

<生活者を理解するための軸>
都市部に住んでいる人なのか、学生なのか社会人なのか、通勤通学をしているか、何時に起きて何時に寝ているか、休日は外出をする人か、友人は多いか、どんなブランドの服を着ているか、エンタメにかける予算は月にいくらか、音楽はどの程度詳しいか…etc

ファン獲得のシナリオ例

シナリオは一通りではない

気をつけたいのは、シナリオはひとつではないということです。
上に書いたAさんは、ひとつの重要な例ですが、別なプロセスでファンになる人もいるはずです。
BさんやCさんのシナリオも用意しておいたほうが良いかもしれません。

ファン化シナリオは、イベントや商品、企画ごとによって変わってきます。
新しいイベントや企画をするときは、かならずシナリオを見直しましょう。

そしてシナリオは常に磨いていきましょう。
こういう風にしたらもっとスムーズなんじゃないか、こんな仕掛けを入れたらどうだろう。
作品と同じで、常に改良を重ねていきましょうね。

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