後ろは決して振り返ってはいけない。

失敗しない事が最善の道です。

だから失敗しないために事前の準備をしっかりする事が大切です。

でも、現実は失敗しない人なんていません。

 

失敗は成功の母。

自分の行動を振り返って失敗の原因を追求する。

成功をつかみ取るためには、誰しもが通らなければならない道です。

 

成長を志す人にとって、反省・過去の分析は当たり前の事です。

でも、仮に『それを決して実践してはいけない場面がある』なんて言い出したらどう思いますか?

 

後ろを振り返ってはいけない。

先日、以下のお悩みを読者の方から頂きました。

 

「ちょっとでも間違ったら、そこが気になって演奏を止めてしまうんです。合奏だけでなくソロの時にもそうなってしまいます。」

 

非常によくわかります。

納得がいかないところは、弾き直したいですよね。

 

でも、この「納得がいかない」という状況が続くということ・・・。

それはつまり「目の前の音符を弾く事に集中できていない」という事なのです。

 

本当であれば、集中力の切れた状況で弾き続けるのはリスクが大きいので、すぐにでも弾くのをやめたいところです。

あるいは、同じようなフレーズが複数出てくる曲の場合は、「さっきはなぜ失敗したのか」と振り返ることで、次の成功率をあげることができるかもしれません。

でも、これは他の人がカバーしてくれる、合奏の場合です。

 

一方、ソロの場合は、この手は使えません。

どんな状況でも、例え納得のいかない部分があろうが、停電しようが、弾き続けなければなりません。

 

「後ろ」を振り返ってはいけないのです。

時間は逆にはもどりません。

 

目の前で聴いてくれている人は「次の音」を待っています。

ソロの演奏者はその「次の音」で最高のパフォーマンスをすることが求められています。

頭の半分で後ろを振り返っていては、次の瞬間に良い演奏をすることは難しいです。

 

意識を切り替える

過去を分析することと、後悔、くよくよすることは全く違います。

失敗後の意識の切り替えの重要性は、音楽以外の分野にも共通することです。

 

例えば、多くのスポーツは強い精神力が求められます。

野球の投手も、メンタル面が成績に大きく影響を与えますね。

 

ピッチャーが、ホームランを打たれたとします。

でも、次のバッターは、先ほどホームランを打ったバッターとは違う人物です。

次のバッターが打席に立ったからには、前のホームランの事を考えてもあまり意味がありません。

ピンチを広げないために、ピッチャーは意識を切り替えなければなりません。

メンタルスイッチといわれるものです。

 

スイッチというより、リセットといったほうが良いでしょうか。

高ぶった精神を落ち着かせ、集中力を発揮できる状態をつくるのです。

 

大事なのは目の前の事に集中する、ということです。

演奏の話に戻ります。

僕の場合、自分の演奏で納得のいかない部分があったとしても、次の方法で意識を切り替えます。

 

まずはお客さんの立場で考えます。

『お客さんは熱心に次の音を期待してくれている。そんな状況で後ろなんて振り返っていられない。』

また、現実主義型ポジティブ人間の僕はこう考えます。

『失敗したという事よりも、次のフレーズに集中できないことのほうがリスクが大きい。だから今は振り返らない。』

大体の場面では、この二つの思考によって、振り返りを回避できます。

もちろん、演奏が完全に終了したら、たっぷり振り返ってより良い演奏をめざします。

 

自分自身、いつもいつも100%実践できているわけがないですが、忘備録のためにも記事にしました。

参考にしていただければ幸いです。

 

 

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