楽器を弾くという事について、指の長さはどの程度影響があるのでしょうか?
指の短い人は楽器に不利だというのは本当なのでしょうか?
数年前、それが気になって、みなさんにアンケート調査にご協力いただきました。
調査は、楽器を演奏する人を対象に2011年に行われ、有効サンプル数は95でした。
調査項目は、以下のとおりです。
①性別、年齢
②各指の長さ(小数点以下第二位を四捨五入)
③自分の指の長さに対する満足度(10段階評価)
④主に演奏している楽器
指の長さの定義について、色々考えましたが、この調査では上図の手の平側からみた長さを採用しました。
それでは、その調査の結果を紐解いていきます。
とりあえず、指の長さと満足度の平均値を出してみました。
(※数字は 人差指 / 中指 / 薬指 / 小指 の順、少数点以下第三位を四捨五入)
男性平均(サンプル数67):7.25 / 8.19 / 7.62 / 6.07 [ 満足度平均 6.4 ]
女性平均(サンプル数28):6.77 / 7.61 / 7.04 / 5.57 [ 満足度平均 5.3 ]
男女混合平均(サンプル数95):7.11 / 8.02 / 7.45 / 5.92 [ 満足度平均 6.1 ]
そして、ここからが分析です。
楽器の種別を確認してみましょう。
まずは、今回のサンプルを楽器別に分類しました。
マリンバ以外は全て絃楽器です。
サンプル数100弱の調査なので、かなり偏りがありますが、気にせず進めていきます。
とはいえ、コントラバス以下は、さすがに分析できるサンプル数ではないので、ここからは省略します・・・。
やはり、各楽器に男女比のばらつきがあるので、これでは公平な分析ができないかもしれません。
そこで、最初に求めた男女別平均値をもとに性別変換補正をかけます。
男女どちらにそろえてもいいのですが、想像する絵がちょっと綺麗になるかもしれないので、全員女性だったと過程して変換します。
男性サンプルのみなさん、ごめんなさい。
ちょっとすっきりしましたね。
こうして見ると、楽器間の指の長さの差なんて、ほとんどないんですね。
『バスケやバレーボールの選手に背の高い人が多いのは、有利な背の高い人が生き残った結果』派の人も、『いや、そうじゃない、バレーやってると背が伸びるんだ』派の人も、痛み分けですね。(・・・ちょっと話が違う?)
特に、この調査におけるマンドリン・マンドラ・マンドチェロの結果を見るかぎり、指が長さがさほど担当楽器の選択に影響があるわけではなさそうです。
一方で、満足度については、少し差が開きました。
マンドラの満足度が低い理由は、マンドラという楽器が、マンドリンに比べて弦長が長いにも関わらず、運指がマンドリンと同じで、しかも同じ機動力が求められるからでしょう。
マンドチェロはさらに弦長が長いですが、運指がマンドリン・マンドラとは違い、また求められるフレーズも異なるため、マンドラよりも満足度は高くなっています。
ギターは、マンドリン属とは違い、4度楽器なので、指の長さで不満に思う人の割合は少ないのかもしれません。
指の長さよりも各指の分離がキーになるのでしょうね。
分析の結果、何がわかったのか、ちょっと微妙ですが、ここで一つ耳寄りな情報をお知らせします。
Kzoの指の長さは、最初に求めた平均を下回っています。
ですが、指の長さ自体に不満を覚えた事はありません。
その理由を今後明らかにしていきたいと思います!
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