こんにちは、石橋敬三です。
この度新しい楽譜集『Improvisation no.1 / Deep Obession』を発売開始いたしました。
製本タイプの楽譜集としては、『BLUE MOON』に続く2冊目となります。
『BLUE MOON』が17曲入りだったのに対し、今回の楽譜集はなんと、たったの2曲しか入っていません。
そう、2曲だけです。
でも、とっても密度の濃い2曲です。
『BLUE MOON』とは全く違う方向性の楽譜集です。
最近は、石橋敬三音楽に「ポップでキャッチーなメロディ」というイメージをもって頂けることが多いです。
でも、かつては違いました。
2010年頃までの僕をよく知る方は、僕がいかに変態的な音楽を好んでいたか、ご存知だと思います。
当時、僕のipodの中身は、現代音楽で埋めつくされていました。
「作曲というアウトプットをするためには、インプットが必要だ!そしてインプットは極端な方が良い!」と考えていました。
所詮、僕は凡人です。
凡人のフィルターを通すと、凡庸な音楽しか生まれてこない。
ならば、インプットを強烈なものにしよう、と考えたのです。
その結果生まれたのがこの2曲。
『Deep Obsession』と『Improvisation no.1』です。
他にもこの手の曲は色々作ったのですが、独奏曲はこの2曲だけです。
少しでも強烈なインパクトとユーモアを感じて頂けると幸いです。
「こんな音楽を求めていたんだ!」なんて声をいただけると、また違う作品を書くかもしれません。
ここからは1曲ずつ紹介していきたいと思います。
『Improvisation no.1』は、アメリカ滞在中に書いた曲です。
2011年にボルティモアでアメリカのマンドリン連盟みたいなやつのコンペがありまして、その時に自分で初演しました。
おかげさまでコンペでは第一位をいただきました。
2分強の短い曲ですが、断片的なモチーフを散りばめた、ユーモラスな曲になっています。
個人的には中間部(2ページ目頭)のフレーズがすごく気に入っております。
今回録音しようと思い、久しぶりに弾いてみたら結構難しくてビックリしましたが、なんだか弾いてて楽しい曲です。
『Deep Obsession』はもともと第二回大阪国際マンドリンコンクール(作曲部門)に出品して賞をいただいたものです。
この曲は、ありがたいことに昨年の同コンクール(演奏部門)の課題曲にも採用していただきました。
初演はあの堀雅貴さんです。
トレモロをしながらチューニングを変えるシーンに代表されるように、変則奏法が多いですが、全て最高の演奏効果を考えて作りました。
アイデアは面白いけど、実際演奏したら「アレッ?」ってこともありますが、この曲はそういう事のないように考えられています。
演奏した際には、高い確率で、お客さん(聴き手)の唖然とした表情を拝めます(笑)
この楽譜集は一部マンドリン専門店及びインターネット通販でお求めいただけます。
ところで最近、福屋篤さんが新しいCDをリリースされまして、その中に『Deep Obsession』も収録されています。
すごく良い演奏ですので、是非こちらもお求めください。
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