※この記事は、本気で上達を目指す方、または生徒や後輩の上達を支援したい方へ向けたものです
前回の記事では「課題はざっくり以下の3つにわけられて、そこからどんどん分解していきましょう」という話をしました。
- テクニックの課題
- 精神面の課題
- モチベーションの課題
正直、課題がきちんと把握できている段階で、もう目標の半分くらいまで来てるんです。
なかなか上手くならないって言ってる人のほとんどは、課題を正しく認識できていないのです。
ですので、課題に向き合って把握できたのなら、自分をたくさんほめてあげてください!
さて、今回は「それぞれの課題に対応する練習メニュー」を考えていきます。
テクニックの課題に対応する練習
前回の記事でこんな課題を例に出しました。
『BPM120以上の時に右手が力みだして、ダウンピッキングに比べてアップピッキングが弱くなり、アップピッキングのタイミングも遅れるようになる』
これはがっつりテクニックの課題ですね。
課題が詳細で明確であるほど、練習メニューは当てやすいです。
もし、この時点で課題があいまいだと感じたら、課題をもう一度深掘りしましょう。
そして、もうひとつ注意点があります。
一つの課題に対して一つの練習メニューを当てるようにしてください。
欲張っていろんな課題を一気に解決しようとすると、意識がフォーカスできずに終わっちゃいます。
「たまたま他の効果もあってラッキー」というのは結果オーライですが、基本的には欲張らないようにしましょう。
例えば、上の課題に当てる練習としてはこんな感じです。
NG例:
練習フレーズ… Gメジャーのスケール
意識すること… 音量やタイミングのムラがないようにする
テンポ… 弾けなくなるギリギリのテンポ(BPM120)
正解例:
練習フレーズ… 2弦の開放弦を16分音符で正確に刻む
意識すること… アップピッキングの強さとタイミングに意識を集中する
テンポ… 5種類のテンポ(BPM80/90/100/110/120)を順番にこなす
おわかりでしょうか?
NG例のほうは、一つの課題にフォーカスできていないですね。
意識の焦点が合わないと、良い結果が生まれません。
ひとつ、付け加えないといけません。
「いやいや、そんなこと言っても、どんな練習が良いのかなんてわかんないよ」と思う方もいることでしょう。
そんな場合は、先生や先輩、あるいは石橋に遠慮せず聞いてください。
でも、他人に「どんな練習が良いですか?」って聞くときに必ず逆に聞かれることがあります。
それは「一体あなたは何に困ってるんですか?」ということです。
ここで課題がはっきりわかっている人は強いです。
ちゃんと課題が把握できていて、それを信頼できる他人に伝えることができたら、きっと良い提案が返ってくるでしょう。
精神面の課題に対応する練習
つぎに、精神面の課題についても具体例で見ていきましょうね。
『特定のセクションで、いつも気が張って同じミスをする』
『今回もミスをするんじゃないかと思ってたらやっぱりミスをした』
この2つはよく似た問題ですね。
「失敗経験」を積みすぎて、変な意味で失敗に慣れちゃっているのが原因です。
これを克服するには「小さな成功体験」を積み重ねるしかありません。
小さな成功体験で良いのです。
いきなり本番にチャレンジしてはいけません。
まずは、一人っきりの練習で成功を重ねましょう。
それができたら、今度は少しずつ環境を変えながら、徐々に本番に近い体験に置き換えていきましょう。
気心知れた友人や家族に見てもらうのも良いでしょう。
あとは、頭の中でシミュレーションして「成功している自分」のイメージを鮮明に思い浮かべましょう。
成功している姿は、最初はうまくイメージできないかもしれません。
少しずつイメージを鮮明にしていくのです。
モノクロがカラーに変わってきたらしめたものです。
もう一つ、集中力不足が課題の場合にも触れたいと思います。
集中力不足の対策は「集中した練習」です!
当たり前のことを言っていますが、これしかないです。
例えば、本番で20分集中力を持続させる必要がある場合は、練習で少なくとも30分は集中できないといけません。
いきなりゴールを目指さず、5分、7分、10分…という風に徐々に集中時間を伸ばしていきましょう。
モチベーションの課題に対応する練習
練習するモチベーションを高めるための練習、ということになります。
ちょっと変な日本語になっちゃいましたね。
ご提案したいのは「モチベーションを上げる仕掛け」です。
モチベを上げろと言われて上がる人なんていないですよね。
大事なのは仕掛けなのです。
自然とモチベーションが上がる仕掛け、仕組みを作っちゃいましょう。
『やらないといけないと思ってるけど、どうしても後回しになってしまう』
『いっぱいありすぎて、どれから手をつければ良いのかわからない』
『みちのりが途方もなくて、前に進んでるのかどうかわからない』
『上達しても誰もほめてくれないから』
- これらの課題には、次のような仕掛けを当ててあげましょう。
- やることを細かくする(練習時間を短くする / やることを分解する)
- 練習後のチョコなど、毎日の小さなご褒美を用意する
- やることを3つ以内に絞る(それ以外のことはメモだけして一旦忘れる)
- 目標をくずして、すぐに達成できるマイルストーンを用意する
- 練習の過程を友達と共有してほめあう
自分のモチベを上げる仕掛けもそうですし、後輩や生徒のモチベを上げる仕掛けも工夫して作ってみましょう。
まとめ
今回は、課題に対応した練習メニューの作り方を説明しました。
テクニックには、ピンポイントに焦点を当てた練習を。
精神面の課題には、小さな成功体験を。
モチベーションの課題には、自然にやる気になる仕掛けを用意しましょう!
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