ファン化の行動モデルと仕掛けづくり ~ファン獲得戦略(5/7)~

前回はファン化のシナリオを詳細に書き出してみましょう、という話をしました。
さて、今回はそのシナリオをフローで体系化してみましょう。
消費行動モデルAISAS
マーケティングのフレームワークは有名なものでAIDMAやAISASなどがありますが、どちらかというと商品購入までのプロセスを説明するのに適しています。
世間に転がっているマーケティングフレームワークは、非常に参考になりますが、そのままでは実際の現場に当てはまらないことが多いので工夫して使っていきましょう。

私たちが考えないといけないのは「商品を購入してもらうこと」ではなく「ファンになってもらうこと」です。
その本質に焦点を当てると、次のフローが浮かび上がってきます。

【ファン化の行動プロセス】
① 接触
② 出逢い
③ クチコミ認知
④ 本体チェック
⑤ フォロー
⑥ 交流フェーズA
⑦ お試し行動
⑧ 交流フェーズB
⑨ ファンの自覚

ファン化の行動プロセス9段階

接触

まずは「接触」です。
この時点では、消費者はあなたのことを気にも留めていません。
ただ目に入ってきただけです。
最初は「ふ~ん」としか思っていないかもしれませんが、着実に接触を重ねていきましょう。
接触回数を重ねることは必ず無意識の効果を生みます。

※単純接触効果(ザイオンス効果):何度も接触することで好感度や評価が高まっていく仕組み

 

出逢い

次に「出逢い」です。
接触が「単純に消費者の目や耳に入るだけ」だったのに対し、出逢いは「消費者の心に刺さる」ことを言います。
「あ、なんか好き」とか「こういうの悪くないかも」とか、そういうものです。
要は、それまでは「他人事」だったのが、出逢いの瞬間に「自分事」になるのです。

クチコミ認知

現代型の消費行動では、何よりもまずクチコミを確認する行動が頻繁に見られます。
与えられる選択肢が豊富になるあまり、選択を失敗したくない人、あるいは選択肢をクチコミで絞り込みたい人が多いのでしょう。
当然、あなたのクチコミも見られます。
ということは良いクチコミが生まれる仕掛けを用意しておかないといけませんね。

本体チェック

クチコミの関門を突破したら、次は本体、つまりあなた自身がチェックされます。
SNSのアカウント、YouTube、公式ホームページ、ブログなど、動線と内容には抜かりのないようにしておきましょう。

フォロー

本体チェックは、あくまで今の時点で切り出した、過去と現在の情報でしかありません。
あなたに興味を持ったお客様は、あなたの未来の情報を取得するため、SNSやLINEなどでフォローするでしょう。
お客様がフォローしやすい環境を作っておきたいですね。

交流フェーズA

フォローが完了し、お客様とつながった後は「交流フェーズA」となります。
この段階では、お客様はまだ期待と不安が入り混じっています。
あなたのこともまだ完全には理解できていないでしょうし、コミュニティにもどう入っていけば良いのか不安に感じているでしょう。
交流フェーズAでは、初心者のお客様に必要十分な情報をお知らせするとともに『安心していただく』ための仕掛け作りに力を入れましょう。

お試し行動

お客様は期待と安心が高まった後、「お試し行動」をとります。
お客様にとってのお試しは何でしょうか?
イベントに行くことかもしれませんし、グッズを買うことかもしれません。
不安なく、スムーズにご案内できるよう、動線などを工夫しましょう。

交流フェーズB

お試しで期待以上だったとしたら、次は「交流フェーズB」です。
この段階では、初期の不安が取り除かれ、お客様は前のめりの姿勢になっています。

鉄は熱いうちに打て」と言いますが、この場合も同じです。
お客様はいつまでも前のめりでいてくれるわけではないです。
せっかく期待を持ってくれているわけですから、こちらもそれに応えましょう。
あなたとの接点がお客様の「生活の一部」となるよう、交流を深めるのです。

ここでの「交流」は直接の交流だけではありません。
あなたの他のファンとの交流も含まれます。
お客様の「前のめり」がブーストされる仕掛けを作りましょう。

ファンの自覚

最終的には「自他ともに認めるファン」になってもらいたいものです。
そうすることによって新たなファンを生み出すことにもつながります。

そのためには「ファンの自覚」が必要です。
自覚していただくキッカケを作りましょう。
例えば、特定の条件をクリアしたお客様だけがゲットできる会員証など、自分がファンだと認識するキッカケを用意しましょう。
ファン化の行動プロセス

行動モデルの使い方

行動モデルは「旅のしおり」や「忘れものチェックリスト」みたいなものです。
または、すごく大雑把な地図です。
実際には、この通りの順番にならないこともあり、特に①③⑥あたりがスキップされる場合も多いです。
でも、いったん行動モデルに落とし込んで整理する中で「あ、ここの段階が弱いかも」とか「こういう仕掛けが足らないかも」など、それまで意識していなかった改善点に気づくことも多いです。

行動モデルの各段階で、どうしたら次に進むのかどうしたら離脱してしまうのかを考えていきましょう。

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