僕はマンドリンという楽器を大学入学と同時にはじめ、いまでは「一生の友」と言える存在になっています。
また、重要でかけがえのない表現の方法でもあります。
でも、社会が大きく動いている今、マンドリンの文化は厳しい局面にあり、変化が求められています。
これはマンドリンに限った話ではないと思います。
世の中のニッチな文化は、多かれ少なかれ、生き残るために変化が求められていると思います。
これは、マンドリンというニッチな文化を未来に残すため、いま何をすべきか。
その考えをまとめた記録です。
アンケートや意見だしなど、ご協力いただいたすべての方に感謝申し上げます。
最初に
準備運動 〜マンドリンの本質を理解する〜
マンドリンの価値を再確認
マンドリンってそもそも楽器だし、もっと言うと音楽です。
その中で、マンドリンによって生まれる価値とはなんだろうか、と考えました。
1. 日常に刺激をプラスオンできる取り組みやすい楽器
2. 集団合奏×音楽理解のダブル教育効果、社会体験
3. 家でも職場でもないThird Place
4. 現代の生活スタイルでも適応しやすい楽器性質
5. 一生ものの自己表現が手に入る
マンドリンの差別化ポイント
ポジショニングマップと類似性に基づきピックアップした「ギター」「ウクレレ」「バイオリン」という3つの競合楽器。
それらに対抗するマンドリンの差別化ポイントは何か。その3つにはない、マンドリンの魅力とは何か。
仲間がたくさんできる
コンパクト
独自性(音色含む)
オーケストラに入れる
クラシックも演奏できちゃう
歯切れの良い音色
南国よりもヨーロッパの風情
オーケストラに入れる
クラシックも演奏できちゃう
初心者でも弾ける
初心者でもオーケストラに入れる
ギター等をやってた人ならすぐに弾ける
マンドリンの魅力をシンプルに表現すると?
ワンフレーズ(?)でマンドリンの魅力の本質を表してみましょう。
音楽が得意じゃなくても大丈夫!
初心者でもオーケストラに参加OK
仲間とともに夢の音楽体験ができる
コンパクトでチャーミングな楽器
これはマンドリンの売り文句であって、キャッチコピーは状況に応じて別で作り込んでいく必要があります。
新規獲得 〜どうやってファンを獲得するか〜
マンドリンファン獲得の仕組みを理解する
世の中にはマンドリンを知らない人が多いです。
まずはその人達にマンドリンを知ってもらうことから始まります。
そして、マンドリンを知った人の中で一部が興味を持ち、またその一部が正しい情報を受け取ります。
最後にまた一部が「マンドリンを始める」などの行動を起こすのです。
その仕組みを考えると、やるべきことは4つに分類できます。
1. マンドリンを知る機会を増やす
2. 興味を持ってもらいやすくする
3. 情報を受け取りやすくする
4. 行動したくなるようにする
それぞれの立場が何をすべきか(提案)
4つの方向性のそれぞれを考えた過程は画像を参照してください。
まとめを以下に掲載します。
・中立で良質なコンテンツサイトの作成
・見込みファンへの広告配信(リスティング広告メイン)
・外部向けコンテンツ促進、外部コラボ、楽器レンタル事業への助成金
みなさんにお願いしたいこと
・外部との接点にリーチし、それを太くすること
・初心者がマンドリンや合奏を体験しやすい雰囲気作りと機会創出
継続応援 〜どうやったら続けてもらえるか〜
よく「離脱防止」という言葉が使われますが、僕がその言葉があまり好きではありませんので「継続応援」と呼びます。
1. 燃え尽きた(卒業など)
2. 仕事や学業が多忙
3. モチベが不足している
4. 人間関係がうまく行かない
5. 結婚、出産や育児
6. 楽器購入のハードル
7. 地理的に入れる団体がない(自身の引っ越し含む)
8. 団体情報不足からの不安
それぞれに対し、改善策を考えていかないといけません。
これについては、地域差、団体の事情などによるところが多いので、具体的には各々が考えていかないといけないですね。
外から言っても「余計なお世話」になりかねませんし、個別に考えないと意味のある対策はとれません。
まとめ
もう一度言いますが、これは僕の考える大雑把な地図に過ぎません。
最初の一歩を踏み出すためのキッカケになれば十分です。
何事も「これをやったらうまくいく」という魔法のようなものは存在しません。
たとえ不完全であっても、大雑把な地図で一歩を踏み出すべきなのです。
踏み出したあと、実際に行ったことを振り返って評価し、地図を更新していけば良いのです。
SNSを活用したからといって、それで成功するものではありません。
ホームページやSNSは入口です。
大通りに入口を構えないといけません。
仮に大通りに入口を構えたとしても、複数に分かれていてどの入口に入ればよいのかわからなかったらマズいです。
また、入ったあとに正しく誘導できないと意味がありません。
課題はたくさんありますが、整理して順番にやっていけば絶対に道は開けます。
この地図が、共感する「だれか」の行動のキッカケになれば嬉しいです。
おまけ:ニッチな文化業界の理想の構図を考えてみた
ニッチな文化業界は、市場規模が大きくないため、ビジネスがスケールしにくいです。
そのため、多かれ少なかれ、互助会的な仕組みが必要だと思います。
色々と仕掛けるのは、やはりボトムの愛好家の仕事だと思います。
行政が予算消化で箱物を作っても意味がないように、愛好家の生の声や命の通った活動なしには、ニッチ文化は成り立ちません。
その代わり、愛好家の自主的な活動を促進し、支援する力学を作れば良いんじゃないかな、と思います。
また、「中立機関」「愛好家」「営利活動体」はそれぞれ持ちつ持たれつの関係を保つため、Win-Winの仕組みが必要だと考えます。
(僕個人は組織を束ねる力はないので、このコーナーはあくまで独り言だと思っていただければ幸いです)
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